ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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欧州行き(12年8月)④―アルミリアート指揮アレーナ・ディ・ヴェローナ「アイーダ」
8月12日、午前中はヴェローナ市内を散策。カステルヴェッキオやサンノゼ教会を巡り、ホテルに戻る。

午後7時前、夕食を摂るべく、昨日に引き続き、La Taverna di via Stellaへ。プロシュットとアマローネのリゾットをアマローネの赤ワインと共に。最高の組み合わせである。

8月11日午後8時半すぎ、アレーナへ。この日の演目は「アイーダ」。昨日よりは来場者が多く、客席は5割程度は埋まっていた。アレーナ・ディ・ヴェローナの「アイーダ」ともなると、観客の期待は自ずと高まるのだろう。会場内は開演前から十分な高揚感に包まれていた。なお、ツボを押さえた地元イタリア人らによる掛け声や煽りの数々は、言い得て妙であり、感心させられたが、これを真似しようとした間の悪い観光客らによるものは、見事なまでに滑っていて、逆に場を白けさせてしまっていた。

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さて、筆者の座席は、舞台下手側スタンドの2列目。前日の座席とは、舞台を挟んで反対側に位置する。ヴァイオリンに近づいたため、全体の響きとしては、前日よりもバランスよく聴こえてきた。ただ、この日はPAの効果が相当強く感じられ、生の声を愉しむというオペラ本来の醍醐味はほぼ失われてしまっていたのが残念であった。

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この日、指揮台に立ったのは、マルコ・アルミリアート。フレーズの歌わせ方に無理がなく、しやかな旋律美を堪能させてくれる一方で、要所ではテンポやリズムをすっきりと引き締めるので、音楽の運びはとてもスムーズだ。現場で歌手や各演奏者から発せられる様々なベクトルの中から最大公約数的な収束点を見出す技術に長けており、余計なストレスを感じさせることもない。音楽的な充実度に関しては、昨年聴いたダニエル・オーレン指揮による演奏とは天と地ほどの違いがあった。正統派の「アイーダ」像を基調にしつつも、厚ぼったくならず、全体をスタイリッシュにまとめた秀演であったといえる。

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なお、この日は、第二幕終了後の休憩中に小雨がぱらつき、開始に遅れが生じたため、第三幕に関しては、舞台上もオーケストラピット内も、集中力が失われてしまっていたが、第四幕では、本来の安定感が取り戻され、幕切れに至るまで流れは悪くはなかった。

キャスト陣の中では、アイーダ役のルクレシア・ガルシアは、強弱の歌い分けが明快で、音程も安定しており、安心して聴くことができた。第三幕では若干の疲れが見られたが、第四幕では持ち直し、十分に合格点がつく仕上がりであった。他方、ラダメス役のヴァルテル・フラッカーロは、声は通るものの、音程をずり上げるような歌い方に終始し、リズムも音程もぐしゃぐしゃ。アムネリス役のエカテリーナ・セメンチュクも、声量は大きいが、音程が不明で、聴いていてストレスが溜まった。アモナズロ役のアンブロージョ・マエストリは、出だしでは、安定感のある滑らかな歌唱で会場を魅了するも、最大の見せ場である第三幕では、逆に力が入ってしまい、音程が上ずり気味になってしまっていた。ランフィス役のマルコ・スポッティは、威厳のある歌い方だが、響きが小粒で、アレーナ・ディ・ヴェローナの舞台のスケールに負けてしまっていた。全体として見ると、欧州の歌劇場のルーチン公演でよく見受けられるような可もなく不可もなくといった出来栄えで、筆者がアレーナ・ディ・ヴェローナに期待する「アイーダ」像からは程遠かった。

オーケストラに関しては、毎年繰り返し上演しているだけあって、圧倒的な安定感を誇る。予定調和的にアンサンブルを組み上げて行くポテンシャルの高さは、さすがといえよう。コーラスの迫力も十分。1913年の音楽祭開幕当時の演出の再現版による舞台は、現代においても全く新鮮味を失っていない。アレーナ・ディ・ヴェローナの音楽祭の歴史の重みを感じさせる舞台であった。

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(公演情報)

Aida
Giuseppe Verdi

12 August 2012 - at 21:00 - Arena

Conductor: Marco Armiliato
Director: Gianfranco de Bosio

Interpreters
The King: Andreas Macco
Amneris: Ekaterina Semenchuck
Aida: Lucrecia Garcia
Radames: Walter Fraccaro
Ramfis: Marco Spotti
Amonasro: Ambrogio Maestri
High Priestess: Cristina Sogmaister
A messenger: Antonello Ceron
Lead Dancer: Alessia Gelmetti
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[2012/08/20 19:33] | 海外視聴記(ヴェローナ) | トラックバック(0) | コメント(0) |
欧州行き(12年8月)③―バティストーニ指揮アレーナ・ディ・ヴェローナ「トゥーランドット」
8月10日午前8時すぎ、EuroCity153にて、ルツェルンからミラノへ。そこから、FrecciaBianca9721にてヴェネツィアへ。2年ぶりにヴェネツィア市内に来てみたが、観光客で溢れていて身動きとれず。また、宿泊予定であったサンタルチア駅前のホテルBoscolo Belliniに行くが、システム障害とかいう取って付けたような理由により、別のホテルAmadeus Hotelに飛ばされ、気分が萎える。このホテルは、ガイドブック上では高級ホテルとして紹介されているが、設備は古く、4つ星とはいってもせいぜい3.5星くらいだろう。

今回、ヴェネツィアには1泊したが、結局のところ、ドゥカーレ宮殿とサンティッシマ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会を見学し、食事するぐらいしか出来なかった。ちなみに、ヴェネツィアでは、Cantina Do Spade(カンティーナ ド・スパーデ)とTrattoria Ai Promessi Sposi(トラットリア・アイ・プロメッシ・スポーズィ)で食事をしたが、どちらも某旅行案内サイトに掲載されているお店であったため、次から次へと日本人グループが来店し、店内は日本人村と化していた。もっとも、お料理はどれも美味しく、日本人好みの味付けであり、お勧めできるレストランであることは間違いない。

8月11日午後3時すぎ、FrecciaBianca9732にて、ヴェローナへ。宿泊先であるHotel San Lucaにチェックイン。ヴェネツィアを体感した後でヴェローナに来ると、極めて全うな観光地であることにある種の感動すら覚える。ホテルも非常に快適であった。

午後6時すぎ、夕食を摂るべく、昨年に引き続きLa Taverna di via Stellaへ。ここでも日本人が何組も。馬肉の前菜とパスタに、アマローネの赤ワインを合わせ、至福のひと時を過ごす。

午後8時半すぎ、アレーナへ。この日の演目は「トゥーランドット」。イタリアの若き俊英アンドレア・バティストーニが指揮を執る。客席は、週末にもかかわらず、2、3割程度というかなり寂しい状況。夜が深まると、冷たい風が場内を吹き抜ける。だが、上演の方は、アレーナ・ディ・ヴェローナの名に恥じない立派なものであった。

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筆者の座席は、舞台上手側スタンドの1列目。舞台間近の臨場感に溢れる場所である。オーケストラピット内の様子を観察できるのも良い。歌手らの生の声が直接伝わってくることに加え、オーケストラの呼吸も感じることができる。巨大舞台上で展開される演技や舞台装置の数々が細かい表情の積み重ねにより表現されていることを知り、改めて感銘を受けた。

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バティストーニは、全身を使いながら、アレーナに並ぶ超巨大なオーケストラと合唱団を、ものすごいエネルギーで一手に束ねてゆく。すっきりとした速めのテンポ設定で、インテンポを基調にしながら、ぐいぐいと前へ引っ張るが、その足取りは地に足がついた堂々たるもの。巨大な石の彫刻を次々と打ち立てていくかのようだ。このアプローチは、アレーナの舞台では非常に映える。

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若さにあふれるバティストーニを見事にサポートしたオーケストラは、作品を隅から隅まで知り尽くした職人集団であり、そのポテンシャルの高さは折り紙つきである。オーケストラのメンバー相互間で、細部までよく目が行き届いており、野外という劣悪な環境にもかかわらず、和声の組立てからディテールの創り込みまで、非常に完成度の高いアンサンブルを、地味に展開していたのには、改めて驚かされた。バティストーニの粗削りな部分をベテラン集団が自発的に埋め合わせることにより、安定感のある音楽に仕立てていたのが好印象であった。風が強まる中で進行した第三幕のクライマックスでは、さすがに粗さが目立ってしまったが、楽譜が飛ばされそうな状況下にもかかわらず、大きな傷を生ずることなく最後まで演奏したこと自体が賞賛に値するといえるだろう。

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そして、地中海性気候をそのまま音にしたかのようなカラっとしたサウンドは、これぞアレーナ・ディ・ヴェローナの響きである。巨大スペクタルではどっしりとした重量感のある迫力を演出しつつ、抒情的な場面が訪れると、砂漠のオアシスのような虹色の潤いを帯び、アレーナの上空に広がる夜空とともに、うっとりとした気分にさせられた。

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合唱団も安定感がある。舞台の規模が大きいので、多少大味にならざるを得ないが、音楽的なベクトルは揃っていて、聴き応えがあった。

キャスト陣の中では、トゥーランドット役のリセ・リンドストロームが歌唱と演技の両面において抜きん出ていた。よく通る声でありながら、声色に嫌味がなく、現代人が好む知的な女性像をストレートに表現できていたといえる。これならカラフが虜になってしまうのも無理はない。対するカラフ役のカルロ・ヴェントレは、伸びのある明るい声で、悪くはないが、トゥーランドットに比べると、やや線が細く、アレーナ・ディ・ヴェローナの舞台では、物足りなさが残った。第三幕の有名なアリア「誰も寝てはならぬ」では、場内を吹き抜ける冷たい風が勢いを増してきており、本領を発揮し切れなかったのかもしれない。リュー役のアマリッリ・ニッツァは、芯のしっかりした太めの声で、日本人好みの儚さからは程遠かったが、アレーナ・ディ・ヴェローナの舞台では、これもありだろう。

この日の上演は、第一幕から好調だったが、第二幕以降は、舞台全体に一体感が生まれる。最初から最後まで緊張感が途切れることはなく、アレーナ・ディ・ヴェローナらしい素晴らしい舞台であった。「誰も寝てはならぬ」において、会場内からハミングによる合唱が自然発生したあたりに、この日の舞台の充実ぶりが現れていた。

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(公演情報)

Turandot
Giacomo Puccini

11 August 2012 - at 21:00 - Arena

Conductor: Andrea Battistoni
Director and sets designer: Franco Zeffirelli

Interpreters
Turandot: Lise Lindstrom
Altoum: Carlo Bosi
Timur: Marco Vinco
Calaf: Carlo Ventre
Liù: Amarilli Nizza
Ping: Leonardo Lopez Linares
Pong: Paolo Antognetti
Pang: Saverio Fiore
A mandarin: Nicolo' Ceriani
The prince of Persia: Cristiano Olivieri
[2012/08/20 18:19] | 海外視聴記(ヴェローナ) | トラックバック(0) | コメント(0) |
ミラノ・ヴェローナ行き(11年7月)③―アレーナ・ディ・ヴェローナ「アイーダ」
7月10日、午前中はドゥオーモやランベルティの塔を見学。日曜日の朝であったため、ドゥオーモではミサが行われていた。ミラノのドゥオーモとは異なり、さまざまな建築様式が混在する不思議な空間であった。

昼食は、ドディチ・アポストリにて、ワインのリゾットと馬肉のポレンタ添え、赤ワインのハーフボトル(Ripassa)、そしてデザートを。
創業260年近い老舗レストランだけに、サービスは超一流。味も合格点が付くレベル。ベルギー流のno service, should payに慣れてくると、このようにきちんともてなしてくれるだけで気持ちが明るくなる。

午後はいったんホテルに戻り、しばしのお昼寝。真夏の日差しが照りつける街中からは、人の気配が少なくなる。

18時すぎに街中に繰り出し、夕食を摂るべく、昨夜も訪れたLa Taverna di via Stellaへ。
馬肉のニョッキ(Gnocchi con Pastisada de Caval)とウサギ肉のポレンタ添え(Coniglio alla Veronese con polenta)、赤ワインのハーフボトル(Amarone Sel. S.Anton.)を。いずれも美味しく仕上がっていたが、連日のご馳走続きで胃腸が疲れをみせたためか、消化のスピードが上がらない。

21時前にアレーナへ。この日の演目はヴェルディ「アイーダ」。Arena di Veronaの看板ともいうべき演目である。座席は昨夜とほぼ同様のPOLTRONCINA CENTRALE DI GRADの正面寄りの1列目。

指揮のダニエル・オーレンは、アレーナ・ディ・ヴェローナの「お祭り」的な側面を強く意識した指揮振りだが、野外オペラに慣れすぎた感が否めない。

全体を通じて進行が早く、外面的な演奏効果に終始した演奏が続く。多少のズレや乱れはお構いなしで、前へ前へと突進する。そこには、ヴェルディがスコアに描いたであろう内面的なドラマ性は、ほとんど窺われなかった。もっとも、所詮、野外オペラ、一種のショーであると割り切れば、それはそれでよいのだろう。筆者自身も、第一幕第一場の半ばあたりからは、音楽として鑑賞することを完全に諦めた。

アレーナの舞台上にそびえ立つ巨大なセットは、「アイーダ」という作品において最も栄える。開放的な舞台が台本の設定とよくマッチしており、眼で見て楽しめる舞台であった。とりわけ、第二幕第二場において、舞台上を埋め尽くすほどの合唱やバンダ隊は、圧巻の一言に尽きる。凱旋行進曲では、馬まで登場し、客席は大いに沸いた。

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キャスト陣については、アイーダ役のニッツァは、重めの声で、それ自体は問題ではないのだが、音程を下から取るクセがあるようで、音程がぶら下がり気味になる箇所が散見された。調子がいまいちだったのかもしれない。演技面でも、アレーナの舞台上では、あまり存在感がない。ラダメス役のリチートラも、卒なく歌えてはいるものの、力技で押し切った箇所も多く、もう一つニュアンスが欲しかった。アモナスロ役のガツァーレは可もなく不可もなく。結局、一番の存在感を示したのは、アムネリス役のペンチェヴァ。迫真の歌唱で、説得力があった。ランフィス役のストゥリウリも、役柄らしい威厳を示し、好演。

なお、第三幕あたりから、遠くで稲妻が光り始め、上空は、分刻みで巨大なフラッシュがたかれているような状況となる。第四幕第一場のラダメスに対する裁判のあたりから風が出始め、ランフィスが死刑を宣告した直後、突風により舞台上の布が大きく舞い上がり、演奏は中止。まさに狙ったかのような絶妙のタイミングであったが、その後、叩きつける雷雨となり、そのまま閉幕となった。第四幕第二場における救済がない「アイーダ」ほど後味の悪いものはないが、やむを得ない。

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ホテルに戻ったのは、午前1時半。翌朝は、朝6時46分発のEurostar City9700でヴェローナを発ち、ミラノ・マルペンサ空港よりブリュッセルに帰る。


(公演情報)

Aida
10 July 2011 - at 21:15 - Arena
Opera in 4 acts by
Giuseppe Verdi

Conductor: Daniel Oren
Director: Gianfranco de Bosio

The King: Gustáv Beláček
Amneris: Mariana Pentcheva
Aida: Amarilli Nizza
Radames: Salvatore Licitra
Ramfis: Carlo Striuli
Amonasro: Alberto Gazale
High Priestess: Antonella Trevisan
A messenger: Enzo Peroni
Lead guest dancer: Myrna Kamara
[2011/07/12 18:13] | 海外視聴記(ヴェローナ) | トラックバック(0) | コメント(0) |
ミラノ・ヴェローナ行き(11年7月)②―アレーナ・ディ・ヴェローナ「ナブッコ」
7月9日、午前中は、ミラノ市内で観光とショッピングを楽しむ。
ドゥーモを見学し、リコルディショップで仮面舞踏会とリゴレットの楽譜を入手。次に手がけるオペラの楽譜は是非ともリコルディ本店で、と思っていただけに、念願を叶え、満足度アップ。
セール中のラ・リナシェンテでネクタイとストールを購入し、ココパッツォというピッツェリアで、モツァレラとハム、ナポリ風ピザを、ハウスワインとともに頂く。これが大当たり。店内は普通の食堂という感じだが、どちらも非常に美味で、大満足。ミラノに来てよかったと思った瞬間であった。

昼過ぎに中央駅に戻り、Eurostar City9729でヴェローナへ。この日の宿泊は、ヴェローナ・ポルタ・ヌオーヴォ駅から徒歩5分ほどのピッコロ・ホテル・ヴェローナ。シンプルな造りだが、空調も十分に効いており、アレーナへのシャトルバスの運行もあるなど、何かと便利である。

日中のヴェローナは、真夏の暑さであった。少し歩いただけでも、汗が噴き出してくる。街の中心部は、観光客で溢れており、オープンカフェで冷たい飲み物やアイスクリームを愉しむ老若男女をいたるところに見ることができた。

付近を若干散歩した後、ホテルでシャワーを浴び、19時すぎに街の中心に向かう。事前の情報に基づき、La Taverna di via Stellaで夕食を。
頂いたのは、馬肉の前菜(Sfilacci di cavallo con rucola e grana)と鴨の詰め物のポレンタ添え(Anara col Pien e Pol.)、そして、赤ワインのハーフボトル(Amarone S.Urbano Sper)。ヴェローナの郷土料理と地元のワインの組み合わせである。スフィラッチ・ディ・カヴァッロは、馬のモモ部分の肉を約15日間塩漬けにした後、燻製、それを細く裂いたものだが、馬肉には臭みはなく、ルッコラとバルサミコと共に口に入れれば、爽やかな味わいが広がる。また、柔らかく仕上げられた鴨肉には、旨みが凝縮されており、ポレンタとの相性も抜群である。Amaroneは、非常によく出来たワインで、広がりや奥行きもあり、料理とのコラボが楽しめた。

さて、20時半すぎにアレーナへ向かう。この日の演目はヴェルディ「ナブッコ」。会場周辺は、すでに聴衆の熱気で盛り上がっており、気分も高まる。座席はPOLTRONCINA CENTRALE DI GRADの正面寄りの2列目。視界を遮るものはなく、アレーナの舞台全体を見渡すことができた。

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野外オペラゆえ、場内の雰囲気は、劇場というよりも、野球場に近い。中央部の座席には着飾った男女も見られたが、多くは半袖姿のカジュアルな格好。なお、夜は寒くなると聞いていたため、上着を持参したが、この日は無用であった。

肝心の「ナブッコ」であるが、オーケストラの音が遠かったこともあり、細部については判断しかねるものの、筆者の座席で聴いた限りでは、この日の上演は、音楽的にも演出的にも完成度はかなり高かったと思われる。

今シーズンの初日だったからかもしれないが、キャスト陣は、いずれも遜色なく、安定した歌唱を聴かせていた。特に、ナブッコ役のMaestriは、国王の貫禄と父親の愛情を見事に歌い上げていた。アビガイッレ役のTheodossiouも善戦。

オーケストラや合唱も、大人数ながら、よくコントロールされており、アレグロの推進力、ピアニシモのニュアンス、そして旋律の伸びも、申し分ない。メンバー全員の技術水準の高さが窺われる。野外オペラの場であることがもったいないくらいの仕上がりであった。

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会場はお祭りモードだったが、それでも一切の手抜きをしないプロフェッショナル精神に感銘を受けた。なお、最も広く知られている「捕われたヘブライ人たちの合唱」では、自ずと会場の空気が落ち着いたものとなり、聴衆全員が静かに聴き入っていた。客席からの声に応え、アンコールもなされた。

演出的には、第一部のクライマックスである神殿の焼き討ちのシーンでは、何も仕掛けはなかったが、第二部の雷のシーンや、第四部の偶像破壊のシーンでは、火柱が上がり、聴衆は大いに沸いた。全四部七場相互に劇的関連性が見出されず、また動きも少ないこの作品ではあるが、全体を通じて、眼で見て分かる舞台構成がなされるとともに、アレーナの壮大な舞台をフルに活用し、聴衆を飽きさせない工夫も随所に見られた。

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幕ごとに20分の休憩が入ることに加え、場面転換にも時間を要するため、終演したのは午前1時すぎ。そのままホテルに帰り、早々に就寝した。


(公演情報)

Nabucco
9 July 2011 - at 21:15 - Arena
Dramma lirico in 4 acts by
Giuseppe Verdi

Conductor: Julian Kovatchev
Director: Gianfranco de Bosio

Nabucco: Ambrogio Maestri
Ismaele: Rubens Pelizzari
Zaccaria: Raymond Aceto
Abigaille: Dimitra Theodossiou
Fenena: Andrea Ulbrich
High Priest of Belo: Ziyan Atfeh
Abdallo: Antonello Ceron
Anna: Maria Letizia Grosselli
[2011/07/12 04:37] | 海外視聴記(ヴェローナ) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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