ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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欧州行き(11年4月)⑥―サンティ指揮 チューリッヒ歌劇場 「仮面舞踏会」
4月29日午前、LH2368便にてチューリッヒへ。チューリッヒには、三年前の夏に一度来たことがある。
この日の宿泊は、旧市街の真ん中にあるWELLENBERG。小さなホテルだが、部屋は快適である。

チェックインの後、目の前にあるSwiss Chuchiにて遅めの昼食を摂る。
ホテルAdlerのレストランで、有名なスイス料理店である。
定食メニューがなかったため、ブラートブルスト(Bratwurst)と白ワインを頂く。オニオンソースとソーセージの組み合わせが美味で、付け合わせに頼んだライスも甘みを伴ったなかなかなもの。胃袋が二つあれば、チーズフォンデュに挑戦できたのだが、そこは断念。

旧市街を散策した後、ホテルで仮眠を取り、夕方6時すぎにオペラハウスへ。

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この日の演目は、お目当てであるサンティ指揮のヴェルディ「仮面舞踏会」(プレミエB)。
座席はParkett-Loge 5/rechts/Reihe 1/Platz 1。要するに、馬蹄の1層目の右から5つ目のBox席の1列目、斜め右前方にマエストロを拝むことができる絶好のポジショニングだ。弦は12-10-8-6-5の対抗配置。

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マエストロの紡ぎ出すヴェルディの世界は、もはや「神」の領域である。
ヴェルディ「仮面舞踏会」は、筆者の大好きな演目の一つで、過去にも相当数の演奏を耳にしてきたが、ここまで考え抜かれた演奏は聴いたことがない。鳥肌が立つとは、まさにこういう体験をいうのだと思う。
「音楽」という枠を超え、総合芸術としてのオペラの屋台骨をなす「演奏」のあり方を明確に示す超名演であった。

例えば、フォルテ一つをとっても、場面によって音色は千差万別。マエストロは、アウフタクトの溜めの微妙な差異により、場面に最適なフォルテをしっかりと鳴らす。他方、ピアニシモでは、ヴェルディ最晩年にも見られるような枯れた表情を窺わせる。メロディはよく歌わせ、でもその末尾は自然におさめて次への橋渡しとする。アレグロは、まさにアレグロ。駆け足でも早歩きでもない。無論、歌とオーケストラのバランスも本当に完璧である。説明し始めるときりがないが、スコアに記されたあらゆるサインを一つの芸術として昇華させているのだ。
終演後、改めてスコアを開いたが、数ページめくるだけでも、新たな発見が山のように出てきた。

今回はプレミエであり、歌手に対してもマエストロ自身が徹底的に指導をしたのだろう。フレーズの一つひとつにつき、非常に細かい指示が見られたが、それは決して芸術家の独りよがりではなく、イタリアオペラという様式がある中で、各々の歌手が正しく、それでいて伸び伸びと歌いきれるようにするためのアドバイスでもある。

演出は、奇をてらった目障りな物体、衣装、動きが多く、純度の高いマエストロの芸術観とは遠くかけ離れたものであったが、第二幕や第三幕第一場は、それなりに関心させられる部分もあった。しかし、現代的演出という軸足になると、なぜこういう方向性になってしまうのだろうか。演出家もきちんとスコアを読み込んだ上で、演出プランをして欲しいものである。

こぼれ話としては、第三幕第一場のレナートのアリアの末尾で、2小節間の後奏を待ちきれずに一人の観客がフライングブラボーと拍手を始めたときのこと。マエストロは、すかさず「シーッ」と制止し、後奏の余韻が消えたところで、自ら「ブラボー」と言って、拍手をし、客席に顔を向けた。「『ブラボー』はここでこうやって入れるのだよ」という表情で。

マエストロは、この街では、イタリアオペラの先生のような存在なのだろう。幕切れとともに、「ブラボーマエストロ」という掛け声がかかる。カーテンコールでもマエストロの登場とともに、多くの観客がスタンディング。

終演後、マエストロと面会。大きな手で握手してもらった。舞台を下りると、非常にきさくなイタリアのお爺ちゃん。来シーズンも絶対に来訪すると心に決めて、オペラハウスを後にした。

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帰り道に、旧市街の大衆イタリアンレストランでピザを食べ、ホテルのバーでWhiskey Sourを飲み、クールダウン。時計台の鳴らすMezza Notteの鐘の音とともに就寝した。


(公演情報)
Un ballo in maschera VERDI
Conductor/Nello Santi
Producer/production/David Pountney
Fiorenza Cedolins (Amelia)
Yvonne Naef (Ulrica Arvidson)
Sen Guo (Oscar)
Piotr Beczala (Gustavo III)
Vladimir Stoyanov (Anckarstroem)
Thomas Tatzl (Cristiano)
Andreas Hörl (Graf Ribbing)
Giuseppe Scorsin (Graf Horn)
Miroslav Christoff (ein Richter)
Shinya Kitajima (ein Diener Amelias)
Orchestra/Zurich Opera House Orchestra
Choir/Zurich Opera House Choir
Ballet/extra Ballett
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[2011/04/30 23:00] | 海外視聴記(チューリッヒ) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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