ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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ウィーン途中降機(年末年始11-12年)③―ヤンソンス指揮ウィーンフィル「ジルベスターコンサート」
12月31日午後7時前、ウィーン楽友協会大ホールへ。マリス・ヤンソンス指揮ウィーンフィルによる恒例のジルベスターコンサート。会場は、世界中から集まった音楽ファンの熱気にあふれていた。チケットの値段が値段だけに、本当に好きな人のみが集まった感じだ。この雰囲気は、ジルベスターやニューイヤーにしかない独特のものであろう。

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筆者の座席は、Galerieの2列目。第7カテゴリーだが、定価は310ユーロで、代理店経由で入手した購入価格は465ユーロ。筆者の財布では、これが限界である。

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Galerieで聴くウィーンフィルの響きは、優雅な美しさの極み。ホール全体が一つの楽器のように鳴っていて、目の前の空間でブレンドされた美しい響きが筆者の身体をすっぽりと包みこむ。にもかかわらず、個々の楽器の音が曇ることなく、ディテールが綺麗に見えるのは、このホールのクオリティの高さの証だ。筆者はこれまでにParterreの後方、Parterre-Logeの前方、Balcon-Logeの舞台横を体感済みだが、今回、この座席に座ったことで、ウィーン楽友協会大ホールの響きが生み出されるメカニズムをようやく理解できた気がした。このホールでは、コントラバスは、やはり舞台の最後列に一列に並ぶべきである。

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筆者の耳に届いた音楽は、ホールのマジックにより美化されてしまっているので、細部は不明だが、この日の演奏は、ヤンソンスの持ち味が十二分に発揮された世界最高水準の演奏の一つであったことは間違いない。

そもそも、ウィーンフィルの気合いが普段とは全く違う。周到に準備した上で、プロフェッショナリズムを十分に発揮すると、これほどまでに素晴らしい演奏を繰り広げられるのである。ジルベスターやニューイヤーは、彼らにとっても特別な演奏会なのだろう。ピンと背筋の伸びた演奏姿勢から醸し出されるオーラに惹き込まれた。

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また、プログラムの構成も、非常によく練られていた。ラデツキー行進曲や美しく青きドナウのパロディで開始したプログラム前半は、ウィーンのオーソドックスな曲想が並ぶ。これに対して、プログラム後半は、異国情緒やロマンを感じさせる変化球が並び、雷鳴と電光でウィーンに戻した上で、アンコールで締め括る。シュトラウス一家以外の作曲家の作品が盛り込まれたことで、音色の変化も楽しめたし、エンターテインメントという観点からも、ウィーン少年合唱団が加わったり、蒸気機関車の効果音が入ったり、ヤンソンスが鍛冶屋を演じたりと、適度なパフォーマンスが入っていて面白かった。こういうのは、テレビで観ていると、ついつい他人事になってしまうのだが、会場では、それらの隠し玉がどれも新鮮に映るから不思議だ。

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演奏に関しては、非常にシンフォニックな造り。躍動感に漲っていたし、ヤンソンスの持ち味の一つである息の長いふくよかな旋律美も、十分に発揮されていた。ただ、やはりヤンソンスは、ウィーンでは異国人。ゆったりとワルツが回りだす瞬間や、ポルカの愛らしいステップには、ぎこちなさが見られたし、静かな響きの移ろいを柔らかいバウンド感で演出するまでには至らなかったようだ。全体的に、快速系やズンドコ系の騒々しい曲が多かったようにも思えるが、ヤンソンスが自身を活かせる曲を並べた結果ゆえ、筆者自身としては、それに異を唱えるつもりはない。

ちなみに、最も良かったのは、チャイコフスキーの2曲。その直前に置かれた「カルメン」カドリーユで、異国モードにチェンジしていたので、流れはスムーズであった。シュトラウスモードのまま突入した「眠りの森の美女」からの2曲は、チャイコフスキーの音楽がこんなに美しく響くのかと思わずにはいられない仕上がりであった。

ともあれ、一つの演奏会として、心底愉しむことができた。ラデツキー行進曲の手拍子にも参加することができ、大満足。カーテンコールは、スタンディングオベーションで、非常に盛り上がった。

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終演後は、いったんホテルに戻り、着替えた後、市庁舎前のカウントダウン会場へ。数箇所に設けられた特設ステージでは、カウントダウンに向けた多彩なパフォーマンスが繰り広げられている。街中では、花火や爆竹が鳴り響き、大騒ぎだ。こんな状況でも、一応の秩序が保たれていたのは、驚異的である。他の国なら、酔っ払い同士が衝突して暴動が起きてもおかしくない。

カウントダウンは、思ったよりもあっさりしていた。この点は、テレビ東京のジルベスターコンサートのカウントダウンに軍配が上がる。ともあれ、午前0時とともに、皆がシャンパンの栓を開け、ドナウの調べとともにワルツを踊りだしたのには、驚かされた。これが文化なのであろう。

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(公演情報)

Silvesterkonzert

Samstag, 31. December 2011 19:30
Musikverein, Großer Saal (Wien, Österreich)

Dirigent: Mariss Jansons
Wiener Philharmoniker
Wiener Sängerknaben

Johann und Joseph Strauß: "Vaterländischer Marsch"
Johann Strauß: "Rathausball-Tänze", Walzer, op. 438
Johann Strauß: "Entweder – oder!", Polka schnell op. 403
Johann Strauß: "Tritsch-Tratsch", Polka, op. 214
Carl Michael Ziehrer: "Wiener Bürger", Walzer, op. 419
Johann Strauß: "Albion Polka", op. 102
Joseph Strauß: "Jokey Polka", Polka schnell, op. 278
- Pause -
Joseph Hellmesberger d.J.: Danse Diabolique
Joseph Strauß: "Künstler-Gruß", Polka française, op. 274
Johann Strauß: "Freuet euch des Lebens", Walzer, op. 340
Johann Strauß Vater: "Sperl Galopp", op. 42
Hans Christian Lumbye: "Kopenhagener Eisenbahn Dampf Galopp"
Joseph Strauß: "Feuerfest", Polka française, op. 269
Eduard Strauß: "Carmen-Quadrille", op. 134
Peter I. Tschaikowsky: "Panorama" aus dem Ballet "Dornröschen", op. 66
Peter I. Tschaikowsky: "Walzer" aus dem Ballet "Dornröschen", op. 66
Johann und Joseph Strauß: "Pizzicato Polka"
Johann Strauß: "Persischer Marsch", op. 289
Joseph Strauß: "Brennende Liebe", Polka Mazur, op. 129
Joseph Strauß: "Delirien", Walzer, op. 212
Johann Strauß: "Unter Donner und Blitz", Polka schnell, op. 324
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[2012/01/03 22:17] | 海外視聴記(ウィーン) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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