ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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欧州行き(12年8月)⑥―ロッシーニ音楽祭―若者公演「ランスへの旅」
8月14日午前10時すぎ、ロッシーニ劇場へ。ロッシーニ・アカデミーの若者らによる「ランスへの旅」の一日目である。今年は、日本人歌手の加藤史幸氏がアントニオとゼフィリーノの1人2役で出演した。

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筆者の座席は、Palco A I Ordine 11の1列目。1階席中央のBox席である。昨日よりもオーケストラピットは見えにくくなったが、1stヴァイオリンがオーケストラピットの壁で隠れたため、生音が聞こえにくくなり、音色のまろやかさは増した。

さて、上演の方だが、結論からいうと、最大の見せ場である第七曲の十四声の大コンチェルタートは、練習の成果ゆえか、非常にまとまりがよく、充実した仕上がりであった。クライマックスでは、若さゆえに突っ込み気味になってしまう場面も散見されたが、許容範囲であった。ただ、それ以外のアンサンブルは、ムラが多かったように感じられた。第九曲のフィナーレも、盛り上がりはしたが、音楽的にはゆるゆるであった。

そもそもこの日の上演は、ロッシーニ・アカデミーの面々による公演ゆえ、キャスト間のばらつきが大きい。どの歌手も、アジリタはそこそこ決めてくるが、基礎的なパッセージの据わりが悪く、不安定である。ロッシーニの魅力の一つである早口言葉も滑りっ放しである。第三曲の六重唱では、6人の言葉も音色もバラバラであった。まあ、実際にはそれだけ難しいということであろう。怖い顔をした客席の面々も、若者らによる上演ということで、甘めの評価であった。

そんな中で光っていたのは、ドン・プロフォンド役のダヴィデ・ルチアーノ。第六曲のアリアにおける豊かな歌唱力と表現力で、この日一番の拍手を得ていた。また、女流詩人コリンナ役のイロナ・マタラドゼも、第三曲の六重唱中の「平和と友愛の頌歌」や、第九曲のフィナーレ中の「即興詩」において、色艶のある美しい歌唱で会場中を魅了していたが、第五曲の二重唱中の細かいパッセージでは、若干転んでしまうなど、課題は残る仕上がりだった。なお、加藤氏が地味な役回りながらも的確に演じていたのも好印象であった。

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指揮台に立ったのは、ピエロ・ロンバルディ。歌手に対するアウフタクトは、きちんと示されており、前日のクラッチフィールドに比べれば、だいぶ聴きやすいし、音楽的にもまとまっていた。ただ、打点が鈍く、リズムの切れ味が悪いのは、今後の課題であろう。オーケストラ・シンフォニカ・ロッシーニがうまくカバーしていたが、あのタクトからは、本来はあの響きは出ないはずである。

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オーケストラ・シンフォニカ・ロッシーニは、個々人の技量的にはボローニャ歌劇場管よりも一段劣るといわざるを得ないが、ロッシーニ奏法の基礎は板についており、安心して聴くことができる。また、彼ら独自の不思議な馬力を持っているので、オーケストラピットの中からは、生きのいい響きが飛んでくる。この日聴いていて面白かったのは、歌手がよいと、オーケストラの響きがガラッと変わること。オーケストラも素直なんだなと感じた瞬間であった。

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終演後は、Il Cantuccio di Leoで遅めの昼食を。伝統的な家庭料理風の落ち着いた味わいは、素朴でありながら旨みが詰まっている。ワインも充実しており、ペーザロのローカルワインとともに、至福のひと時を過ごした。

午後4時前にホテルに戻り、夜公演に備え、仮眠をとる。


(公演情報)

Teatro Rossini

14 agosto, ore 11.00

IL VIAGGIO A REIMS


Direttore: PIERO LOMBARDI
Elementi scenici e Regia: EMILIO SAGI
Ripresa della Regia: ELISABETTA COURIR

Interpreti
Corinna: ILONA MATARADZE
Marchesa Melibea: RAFFAELLA LUPINACCI
Contessa di Folleville: HULKAR SABIROVA
Madama Cortese: ANNA PEGOVA
Cavalier Belfiore: DAVIDE GIUSTI
Conte di Libenskof: ALESSANDRO LUCIANO
Lord Sidney: BAURZHAN ANDERZHANOV
Don Profondo: DAVIDE LUCIANO
Barone di Trombonok: FILIPPO FONTANA
Don Alvaro: DARIO SHIKHMIRI
Don Prudenzio: MATTIA OLIVIERI
Don Luigino/Gelsomino LORENZO NINCHERI
Delia ALIZE ROZSNYAI
Maddalena SILVIYA ANGELOVA
Modestina LILLY JORSTAD
Antonio/Zefirino: FUMIYUKI KATO

ORCHESTRA SINFONICA G. ROSSINI
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