ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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欧州行き(11年5月)④―フィッシュ指揮 ゼンパーオーパー 「タンホイザー」
5月29日朝、ドイツ国鉄在来線特急にてドレスデンへ。やはり陸路での移動は、ストレスが少ない。

この日の宿泊は、エルベ川沿いのホテル・アム・テラッセヌーファー。4つ星ゆえ、部屋は広くて快適。日曜日の宿泊であったためか、手頃な価格にもかかわらず、最上階の見晴らしの良い部屋に案内された。部屋からは、エルベ川沿いの街並みを一望できた。

旧市街を散策し、聖十字架教会の近くのゲンゼディープへ。スープとソーセージを頂く。典型的なドイツ料理だが、味は上々。調子に乗って、昼からビールを2杯(ピルス、ヘーフェヴァイスドゥンケル)。

いい気分でホテルに戻り、しばしの仮眠の後、午後4時過ぎにゼンパーオーパーへ。この日の演目は、ドレスデン国立歌劇場公演「タンホイザー」。ドレスデン音楽祭の演目の一つに位置づけられている。事前のアナウンスでは、ペーター・シュナイダーが指揮をするはずであったが、アッシャー・フィッシュが代役を務めた。筆者の事前の調査によれば、シュナイダーは、この期間、ほぼ並行してウィーン国立歌劇場「サロメ」の指揮をすることにもなっており、ダブルブッキングではないかとの疑念が拭えない。

この日の座席は、4.Rang Reihe 3 Platz 40、最上階最後列の正面やや右側である。この座席の場合、オーケストラピットや舞台上手側前方の視野は妨げられるが、美しい天井の装飾とともに、オーケストラピットから湧き上がるサウンドを存分に楽しめる。

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さて、ゼンパーオペラは、タンホイザーが初演された劇場であり、ワーグナーとのゆかりも深い。筆者はワグネリアンではないので、細部の評価はできないが、レパートリーの再演であるにもかかわらず、この日の上演は、大変充実したものであったと感じた。

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第一に、オーケストラと合唱が地味に上手い。上演に携わるメンバー全員が作品の隅々まで熟知していることが手に取るようにわかる。ヴァイオリンの後ろのプルトを辛うじて観察することができたが、まさに職人であり、またワーグナーの世界を心から愉しんでいる様子を窺うことができた。個人技という意味では、スーパースターを揃えたオーケストラよりも若干見劣りするかもしれないが、セクションとしてのまとまりや、全体としてのアンサンブルという観点からは、他の追随を全く許さない。ゼンパーオーパー特有の陰影を伴った響きとともに、劇場は、これぞワーグナー、というサウンドで埋め尽くされた。客席数1300席ほどという劇場サイズも適正だ。

第二に、この日は、歌手陣のバランスもよく、安定して鑑賞することができた。タンホイザー役のジョン・フレドリック・ウェストは、声量も大きく、タンホイザーという役柄を踏まえつつ、全体を通して、よく歌っていた。エリーザベト役のカミラ・ニュルンドやヴォルフルム役のマルクス・ブッターは、若干線が細いようにも思われたが、秀逸な歌唱と演技を示していた。ヴェーヌス役のティチーナ・ヴォーンも十分な存在感をみせた。その他のキャストは、可もなく不可もなく。印象に残らなかったが、作品の性質上、それでも別に構わないのかもしれない。なお、タンホイザー役のウェストに対しては、観客全体の反応は冷たく、ブーイングを浴びせる客も1名いた。爆走系が裏目に出て、一本調子と受け取られたのだろうか。

なお、今回は、コンヴィチュニー演出のパリ版に基づく上演であったが、これはこれでありだと思った。数箇所ほど音楽の流れと不釣合いなネタが挿入される点で、若干の違和感を感じることもあったが、観ていて分かりやすいし、必要以上に重苦しくならないので、気楽に楽しむことができる。代役を務めた指揮のアッシャー・フィッシュも、若々しく溌剌とした音楽を描き、コンヴィチュニー演出の方向性ともよくコラボしていた。

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一つ残念だったのは、老若男女問わず、観光気分丸出しの輩がそれなりにいて、上演中のひそひそ話が絶えなかったこと。ウィーンのオペラ座に比べれば、まだましだが、どうにかならないものだろうか。

終演後、オペラ座近くのアルテマイスターというレストランで、アスパラガスのスープと、チキンの胸肉のお料理を頂いた。ミシュランにも載っているようだが、完全にミスチョイスだった。スープは塩っぽくて味わいがない。チキンはソースに苺とレッドペッパーのアクセントを加えたものだが、この四つが全くかみ合ってない。類似のアイデアは、他のレストランでも経験したことはあるが、今回のものとは天と地ほどの差がある。

早々に引き上げ、ホテルのバーで若干飲み直しをし、日付が変わる前に就寝。


(公演情報)

Tannhäuser
29 May 2011 05:00 pm - 09:15 pm
Grand romantic opera in three acts by Richard Wagner. In German language.
Running time 4 hours 15 minutes
Premiere 29 Jun 1997

Musical Director: Asher Fisch
Staging: Peter Konwitschny
Set Design: Hartmut Meyer
Costume Design: Ines Hertel
Choir: Pablo Assante
Dramaturgy: Werner Hintze

Landgraf Hermann von Thüringen: Jan-Hendrik Rootering
Tannhäuser: Jon Fredric West
Wolfram von Eschenbach: Markus Butter
Walther von der Vogelweide: Tom Martinsen
Biterolf: Tilmann Rönnebeck
Heinrich der Schreiber: Aaron Pegram
Reimar von Zweter: Tomislav Lucic
Elisabeth: Camilla Nylund
Venus: Tichina Vaughn
Ein junger Hirt: Christiane Hossfeld
Erste Edelfrau: Beate Siebert
Zweite Edelfrau: Ute Siegmund
Dritte Edelfrau: Barbara Leo
Vierte Edelfrau: Claudia Mößner

Staatsopernchor
Sinfoniechor Dresden e.V.
Sächsische Staatskapelle Dresden
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[2011/05/31 18:21] | 海外視聴記(ドレスデン) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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