ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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セゲルスタム指揮読響―第522回定期演奏会「モーツァルト&マーラー」
1月21日午後7時前、サントリーホールへ。レイフ・セゲルスタム指揮読売日本交響楽団による第522回定期演奏会。モーツァルトのピアノ協奏曲第23番とマーラーの交響曲第5番が採り上げられた。会場内は満席で、定期会員の欠席者はほとんど見当たらなかった。

筆者の座席は、いつもの指定席である1階席通路より少し前のセンター。先月もこの場所でマーラーを聴いたはずだが、音色のコクといい、鳴りっぷりといい、全く印象が異なる。指揮者が異なるとここまで違うのかと思わずにはいられなかった。

プログラム前半は、菊池洋子を独奏に迎えて、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番。言わずと知れた名曲である。

菊池の独奏は、モーツァルトらしさを自然体で表現するストレートな演奏。各楽章の表情付けは明快であり、響きの粒立ちも良い。第二楽章の静寂部において、考えすぎともとれる箇所もあったが、ともあれ、全体を通じて安心して聴くことができ、非常に印象が良かった。10型に絞ったオーケストラも、しなやかな音色で、小気味よくまとめ、好サポートであった。セゲルスタムの包容力が発揮された好演であった。

なお、アンコールでは、セゲルスタムの「SEVEN QUESTIONS TO INFINITY」というピアノ作品が披露された。菊池の独奏にセゲルスタムはたいそう満足そうであった。

プログラム後半は、マーラーの交響曲第5番。プログラム前半と異なり、ステージ上には、大編成のオーケストラが並ぶ。

セゲルスタムの指揮するマーラーは、耳に覚えのあるマーラー演奏とは、全く別物に聴こえた。

出来が良かったと感じたのは、作品の前半部である。第一楽章や第二楽章では、豪快なフォルティッシモのスペクタルで見せ場を創るとともに、緩急のうちの「緩」を執拗に強調する濃厚なアプローチが採られたが、発せられる音色自体はどちらかというと淡い印象なので、いわゆる粘着系とは異なる。パート間のバランスやメリハリの付け方もかなり独特。水中の気泡と流れが音で表現されているかのような不思議な印象であった。

他方、作品の中間部にあたる第三楽章は、ただでさえ長いのに、テンポが遅いままなので、こんなに長かったっけというのが正直な印象。オーケストラの緊張の糸が途切れ気味になり、散漫な仕上がりであった。客席の集中力も一気に失われたように感じられた。

スローテンポは、第四楽章でも相変わらず。止まるのではないかと思うほど。とはいえ、音楽をゆったりと動かし続けられるセゲルスタムの手腕はさすがである。ただ、天国的な長さのアダージエットに、演奏者側は気持ち良さそうであったが、聴き手である筆者自身はちょっとついていけなかった。アタッカで始まった第五楽章の前半は、フーガ的な対位旋律の噛み合わせが悪く、細部はグチャグチャであった。中間の爆発的な高揚部では、身体を張ったフォルティッシモで大いに盛り上がったが、これに続く穏やかな場面では、全力疾走後の疲労感が舞台上を覆ってしまい、読響の良くないクセが露呈してしまう。終結部では、突如として畳み掛けるようにテンポを上げ、フォルティッシモを豪快に鳴らし切ったため、聴衆の反応は良かったが、全体としてはお粗末な仕上がりであったように感じられた。都響のようにシニカルな冷静さを保てるオーケストラの方がマーラー演奏には向いているのかもしれない。

なお、この日の読響からは、いつものような一生懸命さは伝わってきたし、ホルンパートの奮闘ぶりは評価に値するレベルであったといえる。しかし、絶賛されていたトランペットは、頑張っていたものの、瑕も散見され、管楽器セクション全体として、パワー演奏を受け止めるだけのキャパシティが備わっていなかったといわざるを得ない。また、中低弦は悪くなかったが、ヴァイオリンに関しては、音色の線が細く、ボウイングもバラバラで、残念な状況であった。セゲルスタムの頭に鳴り響いていた音は、マーラーというよりも、むしろセゲルスタム自身であるようにも思え、それはそれで興味深かったが、読響によるマーラーの演奏が腑に落ちないというトラウマ的な部分は、この日も払拭されなかった。3月には、もう少し状態の良い演奏を聴けることを期待したい。


(公演情報)

第522回定期演奏会

2013年1月21日(月) 19:00開演
会場:サントリーホール

指揮=レイフ・セゲルスタム
ピアノ=菊池洋子

モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調
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[2013/01/21 23:27] | 国内視聴記 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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