ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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ホーネック指揮読響―第557回サントリー名曲シリーズ「ウィンナ・ワルツを中心に」
2月12日午後7時前、サントリーホールへ。ライナー・ホーネック指揮読売日本交響楽団による第557回サントリーホール名曲シリーズ。ウィンナ・ワルツを中心に、ウィーンにゆかりのある作曲家の小品が並んだ。ざっと見た感じでは、8割程度の集客状況。

筆者の座席は、2階RCブロック3列目。編成がそれほど大きくはなかったため、音がボケることなく、ストレートに届いてきた。

プログラム前半は、ロッシーニの歌劇「泥棒かささぎ」序曲で開幕。フルオーケストラによる明るく豪華な響きがホール内に響き渡った。ホーネックが引き出したオーケストラの自発性によるものであろう。元気の良さは好感が持てる。ただ、主部アレグロに入ってからの4分音符の足取りは、キレが悪く、響きが立ち上がらない。オーボエの第二主題に呼応する下降型も、ささくれ立っていてざらつきがある。小さな瑕も散見。ロッシーニらしさはあまり感じられなかった。

続いては、シューベルトの劇音楽「ロザムンデ」から「間奏曲第2番」と「バレエ音楽第2番」。「間奏曲第2番」が秀逸であった。ホーネックから伝授されたフレーズ処理が自然で、ウィーンの面影を感じさせるしっとりとした仕上がりであった。逆に、「バレエ音楽第2番」は、ムラ、滲み、凸凹のある平凡な2拍子で、読響の悪いクセが露呈していた。

プログラム前半の白眉は、ベートーヴェンのロマンス第2番におけるホーネックの独奏。シックで上品なタッチだが、艶と伸びがあり、軽やかな弓さばきにより味わい深い音楽を引きだしていたのが印象的であった。これこそがウィーン正統派によるベートーヴェンであり、非の打ちどころのない解釈は、非常に説得力があった。オーケストラにミスが多かったのが残念。

プログラム前半の最後を飾ったのは、ドヴォルザークのスラブ舞曲作品72の2と、ブラームスのハンガリー舞曲第1番。スラブ舞曲では、冒頭で感じた明るく爽やかなテイストが新鮮であったが、中間部以降は、逆に響きが澱んでしまっていた。ハンガリー舞曲は、読響らしい図太い轟音で畳みかけるが、それ以上のものではなく、スリリングさはなかった。

休憩を挟み、プログラム後半は、ウィンナ・ワルツ集。喜歌劇「こうもり」序曲で開幕。この作品は、よく演奏されるが、実は恐ろしく難しい。オペレッタの節回しへの精通が必要なほか、ウィーン訛りを音色のイントネーションで表現しないといけない。正直、あまり期待していなかったが、筆者個人の中では、違和感ばかりが先行してしまった。

エジプト行進曲は、エキゾチックな雰囲気が読響にマッチしており、なかなかの好演。ド迫力で押し切るスタイルゆえ、2拍目や裏拍の響きに上品さは窺えないが、こういう割り切った演奏も悪くはない。

ポルカ・マズルカ「遠方より」とワルツ「加速度」では、ホーネックが弾き振りを披露。オーケストラだけで演奏をしている際には、音色やニュアンスのベクトルが揃わず、ざらざらしていたが、ひとたびホーネックが弾き始めると、響きがスッとまとまり、色艶が増す。コンサートマスターとしてのホーネックの存在感とその効果が眼前で明らかになるという非常に貴重な体験をすることができた。

プログラム後半で最も完成度が高かったのは、ピチカート・ポルカ。この作品だけは、ホーネックが最初から最後まで一緒に演奏。音色の弾け方とポルカのバウンド感がタマラナイ。

運動会のような様相のポルカ・シュネル「休暇旅行で」、ホーネック効果の実演の場と化したワルツ「南国のばら」を経て、プログラムの最後は、トリッチ・トラッチ・ポルカ。楽しそうに演奏するのは良いが、テンポは安定させてほしかった。突っ込み気味の駆け足は、逆効果である。

アンコールは、定番のラデツキー行進曲。能天気な表情は、むしろ素直でよい。この作品で客席を向いて指揮したかったのだなぁと思わずにはいられないホーネックのドヤ顔を見られたのが良かった。

毎年開催されるウィーン・フィルによるニューイヤー・コンサートは、あまりにも有名になりすぎたため、お茶の間で当たり前のように聴いてしまっているが、フレーズのイントネーションや、和声進行の処理など、驚異的なまでに計算し尽された奏法が基礎となることで、あのように自然で心地よく感じられる仕上がりになっているのだということを再認識することとなった。小品は奥が深い。


(公演情報)

第557回サントリーホール名曲シリーズ

2013年2月12日(火) 19:00開演
会場:サントリーホール

指揮&ヴァイオリン=ライナー・ホーネック

ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」序曲
シューベルト:劇音楽「ロザムンデ」から「間奏曲第2番」「バレエ音楽第2番」
ベートーヴェン:ロマンス第2番 へ長調 作品50
ドヴォルザーク:スラブ舞曲 作品72-2
ブラームス:ハンガリー舞曲 第1番
J.シュトラウスII:喜歌劇「こうもり」序曲
J.シュトラウスII:エジプト行進曲 作品335
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ「遠方から」 作品270
J.シュトラウスII:ワルツ「加速度」 作品234
J.シュトラウスII&ヨーゼフ・シュトラウス:ピチカート・ポルカ
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル「休暇旅行で」 作品133
J.シュトラウスII:ワルツ「南国のばら」 作品388
J.シュトラウスII:トリッチ・トラッチ・ポルカ 作品214
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[2013/02/13 15:12] | 国内視聴記 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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