ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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リットン指揮都響―第748回定期演奏会「プロコ4番ほか」
3月22日午後7時前、東京文化会館へ。アンドリュー・リットン指揮東京都交響楽団による第748回定期演奏会。プロコフィエフとモーツァルトの作品が採り上げられた。

筆者の座席は、5階席R1列中央付近。来シーズンは会員継続をしなかったため、この座席は今回で最後となる。

昨年11月以来、5か月ぶりに聴く都響であったが、チューニングの段階から音が荒れていた。管も弦もAの音が合っていないのに、見切り発車的にチューニングが進む。何かがおかしい。

プログラム前半一曲目は、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」第3組曲。バレエ作品に含まれるエッセンスまとめた第3組曲は、コンパクトに聴きやすくまとまっている。

この日の演奏は、明るい響きで、そこそこ流れがよく、最初の印象は決して悪くはなかった。ミクロに観れば、それぞれの部分は一通り仕上がって聴こえていた。しかし、楽章が進むにつれて、内容の薄さに閉口させられることとなる。

そもそも客席で聴いていても、各場面の情景は全く浮かんでこないし、表面的な明るさはあっても、愉しさは感じられない。もちろん、標題音楽を純粋音楽として捉え直すアプローチであれば、それはそれで許容できる。しかし、聴こえてくる音は、プロコフィエフらしいストイックさとは無縁であり、音色の追求という観点からも、細部において精彩さを欠いた箇所が散見される。個々人が伸び伸びと演奏しているという意味で、開放的な自由さは感じられたが、ベクトルがバラバラで、求心力はない。アメリカ的な大味のサウンドシャワーを浴び続けた20分間であった。

プログラム前半二曲目は、伊藤恵を独奏に迎え、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番。

この作品でも、オーケストラのサウンドが平板で、フレーズ処理の雑さが気になった。「だいたい合っている」というレベル感がスタンダードに据えられたアンサンブルで、組立てが表面的かつ外面的である。モーツァルトのピアノ協奏曲では、もっと多彩な色合いが交錯するはずなのだが、そのような片鱗は全く窺われなかった。オーケストラが無意識のうちに自ら響きを創りにいこうとする箇所もあったが、指揮者はそれを拾おうとはしない。どこまでもアメリカンである。伊藤恵の独奏は、輪郭のはっきりしたタッチによる実に真面目なアプローチで、悪くはなかったが、オーケストラの単調さと相まって、筆者個人の心に訴えかける要素は見出せなかった。

プログラム後半は、プロコフィエフの交響曲第4番。

さすがにメインになると、都響らしいまとまりがところどころ感じられるようにはなったが、演奏のスタンスとしては、プログラム前半一曲目の延長線上にあることには変わりはない。タテの線がビシッと揃っていたのはさすがだと思うが、それ以上のものではない。威勢のよい両端楽章は音が汚いし、難所はともかくシンプルな箇所での音程の滲みも気になる。各シーンがムード音楽のように過ぎ去ってゆき、作品全体を通じて何が言いたいのかさっぱりわからなかった。モチーフの相互連関を意識すれば、一見バラバラに思えるスコアに一貫性が帯び、強い説得力をもって迫ってくるのではないかと思われるが、この日の演奏は、そういうことには関心がなかったようだ。

このような演奏になったのは、今回の指揮者リットンの影響に他ならないと思われる。アメリカ的な大味さを好むかどうかは別として、都響らしい響きの膨らみやアンサンブルの精密さ、そして音楽的なまとまりの良さが十分に発揮されていなかったように感じた。筆者の座った場所が良くなかっただけなのだろうか。少なくとも筆者の好みではない。会員継続をしなくて正解であったと思いつつ、残念な気持ちで会場を後にした。


(公演情報)

第748回 定期演奏会Aシリーズ

日時:2013年3月22日(金)19:00開演
場所:東京文化会館

指揮:アンドリュー・リットン
ピアノ:伊藤恵

曲目
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」第3組曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調
プロコフィエフ:交響曲第4番 ハ長調(改訂版)
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[2013/03/22 23:52] | 国内視聴記 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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