ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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ミラノ・ヴェローナ行き(11年7月)①―スカラ座「アッティラ」
7月8日午後、SN3157便にてミラノへ。ミラノマルペンサ空港の混雑のため、到着が30分遅れた上、空港からのプルマンも渋滞に巻き込まれたため、宿泊先であるクオリティ・ホテル・アトランタに到着したのは18時過ぎ。チェックイン後、すぐにシャワーを浴びて、スカラ座へ向かう。

この日の演目は、ヴェルディが32歳のときに書き上げた名作「アッティラ」。
発売初日にインターネットで押さえた座席は、ガレリアIの真正面の1列目。音響の観点からも、また舞台鑑賞の観点からも、ベストの席である。

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スカラ座のヴェルディ、かつ新演出となれば、出演者達の気合いの入り方も相当なものとなるのだろう。この日は、前奏曲から心を奪われた。
弦楽器のユニゾンで奏でられるメロディが、なんと美しく、そして切なく心に響くことか。幕開き後も、スカラ座の実力が存分に発揮された。
アレグロの鼓動、カンタービレの伸び、レチタティーボのメリハリ、どれも理想形である。
とりわけ、伴奏形の基本であるズンチャカチャッチャの持つ推進力は、特筆に値する。頭打ちや裏打ちの響きの充実、タイミングの適切さ、そして自然さは、いまだかつて聴いたことがない。エネルギッシュな曲の冒頭に魅せるコントラバスの身体を張ったffは、狙いすぎである。あの巧妙な「溜め」は、いったい何に由来するのだろうか。

アッティラは、若書きの作品ゆえ、演奏に際しては、オーケストレーションの弱さが課題となる。また、よく知られているように、アッティラは、当初台本を手がけたソレーラが個人的な事情により台本未完のまま放置したため、ピアーヴェが引き継いで完成させたという経緯がある。それゆえ、第2幕後半からのドラマの展開が不合理で説明不足の箇所が多い。

しかし、マエストロ・ルイゾッティは、スコアにはないメリハリを意図的に付け、また時にはスコアの指定以上にテンポを撒き、作品の弱さを秀逸にカバーしていた。これが恣意的にならないところが素晴らしい。加えて、若きヴェルディ特有の感情の爆発を、フル編成のオーケストラの迫力をもって随所に創出し、気が付けば、あっという間の2時間強であった。

ヴェルディを知り尽くしたプロフェッショナル達による真剣勝負、これぞスカラ座のヴェルディそのものであった。

辛口で有名なスカラの聴衆も冒頭から大絶賛。プロローグ前半から「マエストロ・ブラボー」の声がガレリアの座席から飛ぶ。
この日は、ダブルキャストのB組による公演であったが、キャスト陣も非常に充実しており、安心して最後まで聴くことができた。技巧的に高度な箇所も難なく処理されており、余計な不安は無用である。ドラマの流れも、キャストの立ち位置や演技により、シンプルかつ分かりやすく描かれていた。
一つ難点を挙げれば、ヌッチ様に貫禄と存在感がありすぎ、主役であるアッティラが若干陰に隠れてしまったことだろうか。しかし、イタリア人によるアッティラ、そして演出上も、戦火によって破壊されたスカラ座を想起させる設定になっていたことを踏まえると、これはこれでありだったかもしれない。終演後のカーテンコールでも、ヌッチ様への聴衆の熱狂ぶりは尋常ではなかった。

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スカラ座のヴェルディは、一つの完成形といえるだろう。しかし、これは誰にも真似することができない文化である。少なくともヴェルディの生存中は、このような豪華さは具体化はしていなかったはずであり、より簡素なものが念頭に置かれていたに違いない。個人的には、ヴェルディの作品の持つ魅力について、さらなる勉強の必要性を痛感した一日であった。

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終演後は、L・グランド・ホテル・エ・デ・ミランに併設された老舗レストラン「ドン・カルロス」にて夕食を。このホテルは、ヴェルディが暮らし、没したホテルとしても知られている。スカラ座から徒歩ですぐの場所にあり、終演後でも落ち着いて食事が摂れるのは魅力である。室内には美術館のような装飾で、雰囲気は申し分ない。
この日は、自家製パスタとチキンのラビオリ風、そしてチョコレートソースを食したが、味は悪くはないというレベル。サービスは一流だが、値段の高さを考えると、CPとしてはあまり良くない悪いかもしれない。ともあれ、気分よくレストランを後にし、ホテルに戻り、そのまま就寝。


(公演情報)

Attila
Giuseppe Verdi
New production of the Teatro alla Scala

8 July 2011

DIRECTION
Conductor: Nicola Luisotti
Staging: Gabriele Lavia

CAST
Attila: Michele Pertusi
Ezio: Leo Nucci
Odabella: Lucrecia Garcia
Foresto: Fabio Sartori
Uldino: Gianluca Floris
Leone: Ernesto Panariello
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[2011/07/10 01:39] | 海外視聴記(ミラノ) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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