ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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欧州行き(13年8月)⑤―ロッシーニ音楽祭―レベッカ・リサイタル
8月19日、この日はザルツブルクからペーザロへの移動日である。この間の移動は、交通の便が非常に悪い。鉄道と飛行機を複数回乗り継ぐ8時間の移動となる。

午前7時51分発のEC390にてザルツブルク中央駅からミュンヘン東駅へ、そこからS Bahnでミュンヘン空港へ。この空港は、スターアライアンスゴールド会員の場合、チェックインと手荷物検査は一瞬で終了し、10秒でセネターラウンジに入室できるのが魅力。小一時間ほどラウンジで過ごした後、LH1872便にてミュンヘンからボローニャへ。というように、ここまでは順調であったが、ボローニャ空港に着陸してからが予想に違わず醜かった。ボローニャ空港のハンドリング業務の遅さは、際立っている。着陸から30分近く経過してようやく預入荷物をピックアップ。中央駅行きの空港連絡バスに乗り込む。筆者は害を蒙らずに済んだが、空港連絡バスは、時間が来たためか、それとも乗車口付近のスペースが埋まってしまったためか、理由はよく分からないものの、車内にまだスペースの余裕が若干残っているにもかかわらず、後ろの方に並んでいた客を乗せずに発車。筆者の場合、このバスに乗らないと、列車に乗り遅れてしまうところであったため、危ないところであった。ペーザロに向かうに際し、ボローニャを通過しなければならないというのは、非常にネックであると感じた。約25分の乗継時間の後、午後2時発のIntercity609にてボローニャ中央駅からペーザロ駅へ。到着は午後3時半すぎ。タクシーに飛び乗り、宿泊先であるHotel Galaにチェックイン。着替えの上、ホテルを飛び出し、午後4時半前に無事にテアトロ・ロッシーニにたどり着くことができた。間一髪のスケジュールであった。

ちなみに、今回宿泊したHotel Galaは、ビーチで過ごすリゾート客向けの3つ星ホテルで、街の中心を貫くロッシーニ通りから600メートルほど東に位置する。空調、冷蔵庫、Wifiも含め、3つ星ホテルとして必要なものは揃っているので、値段を考えると納得がいくが、筆者の活動エリアとの関係では、この距離は遠かった。なお、朝食は、ハム2種類以外には、パン、ケーキ、シリアル等しかなかったため、2日目以降は利用しなかった。

午後4時半からの演目は、「恋は薔薇色の翼に乗って~ヴェルディへのオマージュ」と題するマリアナ・レベッカによるリサイタル。ダニエーレ・アジマン指揮オーケストラ・シンフォニカ・ロッシーニも出演し、ヴェルディの歌曲と管弦楽作品が披露された。

採り上げられた作品は、歌劇「オベルト」よりシンフォニア、歌劇「リゴレット」よりジルダのアリア、歌劇「群盗」より前奏曲とアマーリアのアリア、歌劇「ジョヴァンナダルコ」よりシンフォニア、歌劇「シチリアの晩祷」よりエレーヌのアリア、歌劇「海賊」より前奏曲、歌劇「椿姫」よりヴィオレッタのアリア。どちらかというと通好みの選曲であり、その点は好感が持てた。

20130819-01

この日のステージであるが、奥の舞台上には、夜に上演が予定されている「アルジェのイタリア女」の舞台セットが既に仕込まれている。そのため、今回のリサイタルでは、オーケストラピットを上に持ち上げた即席のステージのみが利用された。狭いステージゆえ、演奏者はステージ前方の端ぎりぎりまで並ぶ。ROF事務局から筆者に割り当てられた座席は、最前列中央であったため、目の前を高く見上げるような格好となり、視覚的にも音響的にもやや辛い体勢であった。加えて、前半の歌曲では、譜面台を利用されたため、レベッカの顔が譜面台にさえぎられてしまい、間接的にしか様子を窺うことができなかったのが悔やまれる。

20130819-02

そのため、客観的な評価ができる立ち位置にはなかったが、その点を割り引いたとしても、前半に演奏された作品は、手堅くまとめたそれなりの演奏であり、あまり面白味がなかった。レベッカの歌唱は、かなり生真面目な感じであり、安定性と確実性は高いものの、音楽が花開いて羽ばたく瞬間が巡ってくることはなく、ヴェルディの歌曲に秘められた可能性に光を当てるような魅力までは感じられなかった。演じたそれぞれの役柄がまだ自分のものになりきっていなかったのかもしれない。

歌曲の間に演奏された各管弦楽作品についても、オーケストラ・シンフォニカ・ロッシーニ特有のロッシーニ的な響きの明るさが、初期のヴェルディ作品の魅力を引き出し、ペーザロにやって来たという気分を高めてくれはしたものの、掘り下げは深くなく、技術的な綻びも見られるため、気軽に聞くには丁度良いという感じの演奏にとどまった。

微妙な心境のまま約45分が経過し、このまま終わってしまうのかと不安に思っていると、「ラ・トラヴィアータ」第一幕のヴィオレッタのアリアで、これまで筆者の前に立ちはだかっていた譜面台が取り除かれ、暗譜の状態で演奏が始まった。すると、それまでの演奏とは丸っきり違う活き活きとした歌唱が飛び出してきた。作品を完全に手中に収めている感が強く、揺らぎや声色の変化も含め、計算尽くの表現とはいえ、音楽的な広がりや自由度が感じられる素晴らしい演奏であった。これには聴衆も大興奮で、会場内の至るところから歓声が飛んでいた。

20130819-03

約1時間のミニコンサートゆえ、多くを期待するのは筋違いといえようか。ヴィオレッタのアリアが聴けただけでも、足を運んだ価値があると思える演奏会であった。

20130819-04

終演後は、いったんホテルに戻り、身支度を整え、夜の公演に備える。


(公演情報)

19 agosto, ore 16.30
Teatro Rossini

D'amor sull'ali rosee
Omaggio a Verdi

Marina Rebeka soprano
Orchestra Sinfonica G. Rossini
Direttore Daniele Agiman

Musiche di G. Verdi
La Sinfonia di Oberto, conte di San Bonifacio
La Romanza di Gilda ‘Gualtier Maldé… Caro nome che il mio cor’ dal Rigoletto
Il Preludio e l’Aria di Amalia ‘Tu del mio Carlo al seno’ da I Masnadieri
La Sinfonia della Giovanna d’Arco
Il Preludio, il Recitativo e l'Aria di Medora 'Egli non riede ancora!... Non so le tetre immagini...' da Il Corsaro
L’Aria di Violetta ‘E’ strano! E’ strano!... Sempre libera degg’io’ de La Traviata (tenore: Giorgio Misseri).
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[2013/08/31 23:44] | 海外視聴記(ペーザロ) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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