ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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欧州行き(13年8月)⑩―ロッシーニ音楽祭―「アルジェのイタリア女」(その2)
8月22日、午前中はホテルの部屋で残務処理を行い、昼過ぎから海辺を散歩する。旅行の疲れと胃腸の不調により、何もする気が起きない。リベルタ広場のベンチで1時間半ほど日光浴をし、ホテルに戻る。

午後7時前、テアトロ・ロッシーニへ。3日前に観た「アルジェのイタリア女」をもう一度観る。

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筆者の座席は、前日と同じく最前列中央。この距離で耳にするボローニャ市立劇場管の音色は、さらに綺麗で美しい。惚れ惚れしてしまうほどだ。

ダヴィデ・リヴァーモアによる今回の新演出の醜さは、前回の観劇を経て織り込み済みであり、ホセ・ラモン・エンシナール指揮が今一歩であることも分かっていたので、この日は、舞台上の歌手の細かい表情と、そして眼の前に陣取るボローニャ市立劇場管の奏法の観察に意識を集中させた。

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さすがに5回目の上演となると、キャスト陣には若干の疲れが見え隠れする。前日にリサイタルを行っているリンドーロ役のシー・イージェの声は、3日前の公演及び前日のリサイタルと比べると、特に第一幕において輝きに衰えが見られたように感じた。もっとも、第二幕では調子を上げ、第九曲「リンドーロのカヴァティーナ」は見事に決めてきた。なお、この点は彼の歌唱全般に共通するが、もう少しイタリア語らしく聴こえるようになると、鬼に金棒といえるであろう。発音の明快さはアジア人に共通する課題である。

他方で、今回、至近距離で観て、唸らされたのは、イザベッラ役のアンナ・ゴリャチョワ。やや暗めの声質ながら、表現の幅は多彩で、メリハリがコンパクトに効いている。前回はボックス席で聴いたため、声量不足に由来する弱さを感じたが、この日は特に不満を感じなかった。抜群のコントロールにより、モチーフの数々を繊細かつ丁寧に表現し、まとめあげていた。身体を張った演技も冴えており、暴走するムスタファと双璧をなす存在感を示していた。

4回目の上演と変わらず、体当たりの歌唱と演技で気を吐いていたのは、ムスタファ役のアレックス・エスポジト。この人のエネルギーには、恐れ入った。衰えを全く感じさせないし、演出上の都合で演技が荒れても、歌唱にブレが生じない。第一幕からのハイテンションを第二幕に向けてさらに高める気合いの入り様は、まさにブラボーである。今回の上演の成功は、エスポジトの圧倒的な牽引力に因るところが大きい。

アンサンブルに関しては、疲労の蓄積が災いして、例えば、第七曲「第一幕フィナーレ」の早口言葉は、前回の観劇時以上に崩壊しかけていたものの、むしろ最終公演ということで、出演者らの気迫と集中力は並々ならぬ水準にまで高まっており、想いの滲み出てくる上演になったと感じた。

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オーケストラピット内の面々も、実に楽しそうに演奏しており、演出はさておき、ロッシーニの描いた世界の素晴らしさに共感できた一夜となった。

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カーテンコールでは、リンドーロ役のシー・イージェ、イザベッラ役のゴリャチョワ、ムスタファ役のエスポジトに爆発的な拍手が送られ、非常に盛り上がった。なお、指揮者のエンシナールに対するブーイングは、天井桟敷から前回以上に激しく盛大に浴びせられていた。筆者が思うには、何もそこまでひどい仕打ちをしてやらなくてもよいのではないかとも感じたが。

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終演後は、前日と同じく、テアトロ・ロッシーニ近くのレストラン、Felici e Contentiのテラス席で、マルケ州の重めの赤ワインとともに、前菜盛り合わせとロッシーニピザを食す。しばらくすると、出演者メンバーも続々と店にやってきた。出演者と観客が、終演後に同じレストランで並んで食事をするという光景が当たり前に見られるのは、このペーザロの良さの一つである。


(公演情報)

22 agosto, ore 20.00
Teatro Rossini

L'ITALIANA IN ALGERI
Dramma giocoso per musica in due atti di Angelo Anelli
Nuova produzione

Direttore JOSÉ RAMÓN ENCINAR
Regia DAVIDE LIVERMORE

Interpreti
Mustafà ALEX ESPOSITO
Elvira MARIANGELA SICILIA
Zulma RAFFAELLA LUPINACCI
Haly DAVIDE LUCIANO
Lindoro YIJIE SHI
Isabella ANNA GORYACHOVA
Taddeo MARIO CASSI
ORCHESTRA E CORO DEL TEATRO COMUNALE DI BOLOGNA
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[2013/09/01 12:43] | 海外視聴記(ペーザロ) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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