ましましの音楽日記
G.ヴェルディの作品をこよなく愛するオペラ愛好家による音楽日記です。筆者が鑑賞した海外でのオペラやコンサートの模様や、筆者自身が日頃行っている音楽活動などについて、不定期に綴っていきます。
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ウィーン行き(11年11月)①―バーデン市立劇場「ポッリチーノ」
11月19日早朝、SN2901便にてウィーンへ。この日のウィーンは、11月半ばにもかかわらず、肌を刺すような冷気に覆われており、道東の2月の寒さに通ずるものを感じさせる。

今回の宿泊先は、筆者のお気に入りのホテル、スターライト スイーツ ホテル アム ザルツグリース。午前9時半すぎの到着であったが、準備の出来た部屋を見つけて、部屋に通してくれた。このホテルの居心地の良さは、筆者がこれまでに宿泊した欧州のホテルの中でも随一である。

ホテルで荷物を整理した後、オペラ座前から路面電車にてバーデンへ。温泉施設レーマーテルメでしばし身体を休める。スイスのバーデンにある施設と同様、温泉プールが中心だが、こちらの方が設備が新しく、また賑わっていた。源泉である硫黄泉の香りは微かに感じられたものの、日本の温泉からは程遠く、熱くて濃い源泉が懐かしく感じられた。

街中を散策の後、午後2時半ころ、市立劇場へ。この日は、バーデン市立劇場の今シーズンのプレミエ演目の一つ、ヘンツェ「ポッリチーノ」の初日である。

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この作品は、おとぎ話「おやゆびこぞう」をオペラ化したもので、子供のために書かれた作品である。劇場側も、子供向けというスタンスを前面に打ち出したアピールをしていたようだが、実際、劇場内は、幼児から小学生くらいまでの子供連れのみで概ね埋まっていたのに、まずは驚かされた。

しかも、幕が開くと、その子供たちが皆、舞台に惹き込まれ、そして身を乗り出すようにして鑑賞していたのには、ある種の感動すら覚えた。今回は、演出上、子供たちを飽きさせない工夫が満載であったし、また小学生くらいの子供たちが実際に役者として登場していたということも大いに影響していると思われるが、子供たちがここまで真剣に舞台を見つめているという状況は、これまで目にしたことがない。上演中に、多少のしゃべり声や物音が生ずるのは致し方ないが、ぐずったり騒いだりする子供が皆無だったというのは、子供たちが真に集中していたことの証といえよう。休憩時間中も、ピット内の楽器や劇場内の装飾に興味を示している子供たちがたくさん見受けられ、非常に微笑ましかった。小さい頃からこうした環境で育つことにより、劇場に通うという文化が若い世代へと受け継がれていくのだろう。

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ところで、ヘンツェ「ポッリチーノ」は、実に良く出来た作品である。ストーリーは明快だし、「おやゆびこぞう」のストーリーに含まれる残酷な要素は綺麗に取り除かれているため、子供が鑑賞する上で無理がない。しかし、音楽的には全く妥協がなく、ヘンツェが築き上げてきた様々な技法のエッセンスがシンプルに凝縮されている。衝撃的で刺激的な響きの数々がスッと耳に入ってくるというのは、20世紀の音楽を知り尽くした達人の成せる技といえよう。リコーダー合奏の導く鮮烈な表情は、いまだに筆者の耳に強く残っているし、「リゴレット」からの引用は、この作品においては、あまりに痛快だ。20世紀音楽の響きをこうして子供たちに受け入れられる形で提供したヘンツェの功績は大きい。

なお、筆者の座席は、Galerie Linksの1列目。主役ポッリチーノを含む7人の子役を小学生が務めたことが影響したのか、この日の役者は、全員が口元にマイクを設置しての登場であったため、音響的には、まるでミュージカルを観ているかのような状況であった。小さな劇場の音響と雰囲気を楽しみにしていた筆者としては、完全に肩透かしではあったが、ともあれ、ウィーンに根付く文化の一端に触れたという意味では、意義のある小旅行であった。

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(公演情報)

POLLICINO
Kinderoper von Hans Werner Henze

Stadttheater
Premiere Sa 19.11.2011 15:00

Musikalische Leitung / Oliver Ostermann
Inszenierung / Christa Ertl
Ausstattung / Manfred Waba
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[2011/11/22 06:38] | 海外視聴記(ウィーン) | トラックバック(0) | コメント(0) |
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